【吃音体験談】自己紹介の苦い思い出-アルバイト初日-
この度は当ブログ【どもれども どもれども】にお越し頂きありがとうございます😊
吃音研修講師の阿部と申します🙇♂️
吃音(きつおん)という、どもってスムーズに話せない症状を持ちながら大好きな研修講師の仕事と向き合う日々を過ごしております👨🏫
初めてこのブログに訪れていただいた方もいるかと思いますので、まずはこちらの記事を読んで頂きたいです👏
吃音について知って頂きたい全ての事を書きました✍️
ここから本文です
さて、本日は部屋でゆっくり自粛モードなので、吃音で経験したエピソードを書いてみようと思います✍️
未だに苦い苦い思い出として残っているのは"アルバイト初日の自己紹介"。
これは失敗談なのですが、わたしの心に深く刻まれ、教訓として忘れられないエピソードなのです😌
それではいってみましょう👍
【もくじ】
歯痒いバイト仲間との関係、そして期待と不安に包まれたアルバイト初日
あれは確か大学1年生の頃だったと思います。
当時様々なアルバイトを転々として、1つの職場に半年も続かなかったことを記憶しています。
今やっと分かることですが、1番の原因は"人間関係"ですね💦
とあるビジネス書(アドラーかな?)に
「人の悩みの全ては人間関係である」
と書いてありますが、まさにその通りですね。
当時は多感な時期で自分の吃音をとても強く意識していたので、本当に調子の良い時のみバイト仲間と話す事はしない、日頃は周りの話をニコニコして聞いている。
そして話しかけられてもこれといった興味深い返しも出来ず、ただひたすら自分の中でワナワナしている毎日だったことを覚えています😩
そんな状況が自分の中のメーターを振り切ると、「明日バイト辞めます」とバイト先の迷惑を考えず逃げるように辞めてしまう。。。
新しいバイトに就くたびに「今度こそは上手くやるぞ!」と今までの事をリセット出来るかのような心持ちで期待と不安を両手いっぱいに抱えながら初日を迎えるわけです。
そして今日お話しするのは、とある居酒屋の厨房でアルバイトを始めた、まさに初日出勤のエピソードです☝️
怖そうなバイトの先輩に吃音症状がマックスボルテージ
バイト初日って本当に独特の心持ちになりますよね💦
新しい環境に挑戦できるワクワク感もあり、自己紹介から新しい人間関係を築けるのか不安感もあり、もしかしたら職場恋愛が出来るかも?!とドキドキ感もありで前の日なんて寝られないですね😁
確かあれは有名な居酒屋チェーンだったと思います。
吃音を気にしていた私は出来る限り人と接しないように厨房のアルバイトに応募していました。
元気には自信があったので、厨房の聞き取れるか聞き取れないかぐらいの威勢のいいド太い掛け声。
あれなら何とかついていけるかなといつもより自信満々にバイト先へと出勤していきました👍
私のイメージでは、
優しい店長さんが出迎えてくれ、皆の前で私を紹介する。
私は不器用だが笑顔と大きな声で「お願いします!」と挨拶。
職場の先輩方は拍手と共に「よろしく!」と笑顔で私を迎えてくれる。
そして初日なので私に教える係の先輩が手取り足取り優しく指導してくれる。。。
のはずでした。。。
だが現実はそうはいきませんでした🤣
実際はこうでした。
「失礼します!」と大きな声で挨拶して入っていくが、誰一人私に気を回さない。
そのうち無愛想な社員が私の方に来て、面倒くさそうに控室に案内。
ちょっと黒ずんだ綺麗とは言えない調理服を私に渡す。
不安になりながら着替えた私は恐縮しながら厨房に入る。
既に出勤していた先輩たちは「い〜す」と何語かも分からないような適当な挨拶で無愛想に私を迎える。
教える係などおらず、「今日はそっちね」といきなりキッチンの一角を任される。。。
想像と違いすぎる展開に戸惑い、心は錯乱状態😖
誰に何を聞いたら良いのか、その前に聞いても良いのかどうかも分からずひたすら挙動不審状態になる私。
「帰りたい。。。」
出勤10分後に私の心は完全に折れていました🤯
無愛想な先輩に質面攻めをされ、苦し紛れの嘘連発⁉️
そんな状況でいきなり過酷な状況にぶち込まれた私💦
オープン前で暇だったのか、無愛想な先輩の1人が私に話しかけて来ました。
先輩A「お前、どこ出身?」
来ました、吃音を持つものとして最も過酷な質問の1つです💦
というのも、自分自身の情報は決まった固有名詞であり、言いやすいものに"言い換え"が出来ません。
つまり言う意外道は残されていないのです💦
そして出身地などは知っていて当然な事であるため、自分の言いやすいタイミングが来るまで待ってもらえる猶予もありません。。。
私「え、え、え〜と、、、」("愛知県"が言えない)
先輩A「..........」
私「あ、あ、あの、その、、、、」(こうなったらもう無理。出てこない)
先輩A「??何でそんなにどもるん?」
私「すいません!静岡です!!」
やってしまいました。
自分のどもりにパニックになりすぎて、とっさにその場で思い浮かんだ"静岡"と言ってしまいました。。。
先輩A「まじか!おれも静岡やねん!静岡のどこ?」
最悪です。。。
とっさについた嘘の情報が先輩Aの懐に大ヒット💦
会話は更なる深堀り地獄に。。。
当然静岡に縁のない私はどう返していいかも分からず、何となく知っていた地名でピンチをくぐり抜けようと、、、
私「は、は、は、浜松です、、、」
ここからは皆さんのご想像通り、会話は成り立たず、先輩たちからはどもりが凄すぎる奴という事で話しかけられなくなり、私の存在感はそこで終了となりました👏
そんな状態なので私の吃音症状は立て直し不可能な状態となり、厨房のノウハウが分からないにも関わらず、誰にも教えを請うことも出来ず、閉店まで怒鳴られ続けることに。。。
その日で辞めました。。。
苦いバイト経験で学んだこと
今でも思い出すと胸が締め付けられる経験でしたが、ここから学べたこともあります。
吃音を自分だけで抱え込まず、表に出してみる
もしこの職場で面接の時点で吃音の事を話し、それを承諾いただいた上で働くことが出来たら、、、
もし先輩に「めっちゃどもるな」と言われた時に吃音についてきちんと説明出来ていたら、、、
おそらく結末は180度とはいかなくても多少は違ったものになっていたでしょう😌
実際、いくつかこういった経験をして以来、私は吃音のことを少しずつ表に出すようにしていました。
現在のように全面オープンとまではいかなくても、「私、小さい頃からどもるんです」と伝えるようにしていました。
それでも嫌な思いはたくさんしましたが、何人か理解してくれる方にも出会えました。
もしかしたら当時(20年近く前)より現在の方が情報量が格段に多く、吃音について、また障害について"聞いた事がある"方が増えているかもしれません。
なので、今まさに吃音で悩まれている方はご自身だけで抱え込まず、出来る範囲で表に出してみてもいいかもしれません☺️
そしていつか実現したい、
安心してどもれる世の中へ
最後までお読みいただきありがとうございました🙇♂️