どもれども どもれども

30年間明るくどもり続ける吃音研修講師がお送りする吃音ライフを紹介します!

【当日のレポート】『吃音〜伝えられないもどかしさ〜』刊行イベント

こんばんは🌝

 

今日は待ちに待ちまくったイベントに参加して来ましたので、当日のレポートを書いてみたいと思います👍

 

イベントの内容を一言で表すとしたら、「熱い」ですね🔥

 

ここまで終始吃音の話題で熱く議論される事はなかなかないのではないでしょうか‼️

 

さて、どんなイベントだったのでしょうか😁

 

では、レポートを始めましょう✍️

少しでも当日の雰囲気が伝われば嬉しいです☺️

 

 

『吃音〜伝えられないもどかしさ』刊行記念トークイベント

2019年5月31日(金)20時〜22時

本屋B&B(東京都世田谷区北沢2-5-2 BIG BEN B1F)

近藤雄生「『吃音』について著者、近藤雄生が語る〜聞き手・重松清」『吃音〜伝えられないもどかしさ』(新潮社)刊行記念 | 本屋 B&B

語り手:近藤雄生さん、聞き手:重松清さん

 

 

会場到着からイベント開始まで

場所は下北沢。個人的に初めて訪れる街。

比較的若者が多く、活気のある雰囲気でした🍻

 

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本屋B&Bさんの外観。周りには結構な人だかり。

 

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お店の前にイベント看板。

ドリンクメニューにビールが🍺

お酒を飲みながらトークを聞ける事を今知る。。。最高やん!!

 


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入場時間の7時半になった事を確認して地下に降りていく。

お店の看板と名刺をパシャリ📸

緊張感が高まる。。。ドキドキ。。。

 

ここからチケットを見せてお店に入っていくのですが、事前のチケット画面に

「本日のイベントの受付方法につきまして、お名前をお聞きする際、

・予約画面をスタッフに見せていただく
・備え付けのメモにお名前を書いていただく

のいずれでも対応可能です。」

と記載され、吃音当事者でも安心して入場出来るようになっていました☺️

 

イベント中に近藤さんが仰っておりましたが、「名前を言いにくいから参加できない」という事を避けるための配慮という事です😌

 

細かい部分ですが、当事者にとって「名前を言う」事は意外と大きなハードルとなり得るんですよね💦

 

近藤さんとB&Bさんのご配慮に感謝っ👏

 

 

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そして満を持して店内に!!

イベントスペースの作り方は至ってシンプル👍

100席ほどはあったかと思います。

周りに本棚が並び、落ち着く雰囲気📚

 

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イベント開始まで周りの本棚を物色......すると!!

学生時代に読み込んでいたレゲエに関する本が‼️

嬉しくなると共にB&Bさんへの親近感が一気に湧きましたね☺️

 


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左側は質問用紙、右側はバーカウンターに置かれたメモ。

お客さんが全く話さなくても楽しめるような心遣いにただただ感動と感謝です😂

こういう対応をしていただけるお店が増える事を心から祈っています👏

 

 

そして20時になり、イベントがスタート!

(ここからは撮影禁止のため、文章のみのレポートとなります。)

 

重松さんと近藤さんが壇上に。

一気に緊張感が高まります。。。

 

そして重松さんよりこの第一声。

「私は普段人前で話をする時は横隔膜を締め付けるようにしてどもらないようにする。しかし今日は"吃音"がテーマであるので、どもりながら楽な話し方で行こうと思います。」

 

この一言により私が抱いていた緊張感は一気に緩和され、手の届かない雲の上の存在であった重松さんが目の前に降りて来られた気がしました。

 

 

そしてこの一言は吃音当事者ならではのものですね。

当事者の方は各々が"どもりにくい話し方"を持っていることが多いです。しかしそれは本人にとっては真の意味で"楽な話し方"ではありません。

本来はテクニックなど使わず、どもりながら話す事が自分にとってありのままの姿であり、本当に楽な話し方なのかもしれないのです。

 

重松さんのような方でも自分と同じ悩みや苦悩を持っている事を知り、吃音も悪くはないなとちょっと感じてしまいました。

 

 

冒頭の一言から深く考えさせられましたね😌

 

 

重松さんと近藤さんのトーク内容

さて、いよいよ本編に触れていきましょう‼️

 

イベントの構成としては、重松さんがインタビュアーになり、近藤さんに質問をしながら、重松さんご自身の体験も語るといったスタイルでした。

最もシンプルな形式ですが、その分お二人の語りにとことん集中出来るという今回のイベントの趣旨にはベストな形式ではないでしょうか👍

 

当日の内容を事細かく記す事は出来ないので、特に印象に残ったフレーズや会話を以下に記したいと思います。

あくまで私のメモから起こしているため、下記の内容は一言一句正しい訳ではないのでご容赦を🙇‍♂️

 

重松さん(以下S):この本が出てからの反響はどう?

近藤さん(以下K):元々この本は、当事者でない方に届けたいという想いがありました。実際、当事者でない方から「吃音というものは知っていたけど、こんなに苦しいとは思わなかった。」という反応が沢山ありました。

当事者の方からも「読んでいて苦しい。」という反応が多く、その点には発売後懸念を抱いていました。しかしながら、今回の本は"苦しい"で終わらせたかったのです。

 

 

S:本の中で登場した皆さんの反応は?

K:取材した皆さんが僕につらい経験を託してくれました。ある方からは「思っていた以上に細かく描かれ、戸惑いがある。でもこの本にはとても意味がある。つらいけど読んで欲しい。」という言葉を頂きました。改めて人の人生を書く重さを感じました。

 

 

S:登場人物の方が取材を受けようと思った理由は何だと思う?

K:吃音というものをなかなか理解されないもどかしさがあり、それを伝えたいと思って頂けたのではないかと。

S:そのもどかしさを伝えられないもどかしさがあるんだよね。

 

 

S:もし近藤さんが吃音当事者でなかったら、この本の取材はどうだっただろうか?

K:当事者であったからこそ当事者の方々や読者の方々といい距離感を保てているのだと感じています。

しかし、今私は吃音で悩んでいないので、当事者の方々に対して「気持ちが分かります。」とは言ってはいけないという思いがあります。

S:「分かる」というのには怖れがあるが、近藤さんは吃音当事者と遠くもないという距離感なんだよね。

 

 

-重松さんと近藤さんの吃音にまつわるエピソード

S:僕は難発なんだよね。清の"き"が言えない。名前とか言い換えが出来ない固有名詞はつらいよね。

K:僕はどもる時に口がパクパクしてしまう事が恥ずかしかった。好きなハンバーガーも頼めないし、グループで行く時は追加注文を頼まれないようにポジショニングを常に考えていました(笑)

 

 

S:登場人物が実名である事が、本人たちの尊厳を守ってくれている気がしたよね。

K:雑誌の段階では仮名の方もいたが、書籍になる時は実名に拘った。実名である事で緊張感と責任を持ちながら書くことが出来た。

その一方で、小学生の子供の実名を出す事に迷いもあった。大きくなってから後悔をしてしまうのではないかと。

 

 

会場からの質問

-ご自身の中で、物書きと吃音との関係はありますか?

S:完全にある。言葉で伝えられなかったもどかしさを文章だったら何とかしたいと思っている。だから小学生でも読めるくらいシンプルな文章を心掛けている。

K:今でも自分が作家になっているのが不思議なくらい本を読むのが苦手だった。宇宙飛行士を志していた事もあったが、緊急時にどもって言えないのはまずいと思い断念した(笑)

 

 

-吃音は治すと考える?治らない事を受け入れる?

K:僕は吃音で悩んでいる時は吃音者宣言を受け入れられなかった。実際どもって困っている事はどう解決したらいいのか分からなかった。

S:吃音を個性と捉えるという考え方についてはどうか?

K:本人が心からそう思えるのなら私はいいと思います。

 

 

-お二人は吃音で良かったと思えますか?

K:決して良かったとは言えない。今は吃音で悩んでいないので、その辺りの感性は欠けていると思う。

S:吃音があって決して良くはないが、吃音がある人生も悪くはないと思える。文章とメールがあって本当に良かった!

 

 

-今の自助環境は十分だと思いますか?

K:結果として本質的な問題の解決は難しいかも知れない。皆と一緒なら楽になるが、一人になった時にはまた苦しいままなのではないかと思う。

本質的な解決には社会や周囲の理解がもっと必要。

S:解決と理解は違うよね。もっと理解が増えて欲しい。私は上手く言えない子供側でいてあげたい。そういう一人が大人になったんだよ。という存在でいたい。

 

 

S:今回の本のタイトルは『吃音』で、ふりがなまで付いているのは珍しいね。

K:最初はもっと格好付けたタイトルだったのですが、編集者の方から厳しいご指摘をいただき、内容も出来上がりから4、5回書き直した。そのうちに『吃音』以外のタイトルを考えられなくなり、覚悟が決まった。

S:書き直す毎に覚悟は決まるものだよね。この本のインタビュー記事をたくさん読んだが、すごく良いんだよね。インタビューがいいって事は本が本当にいいって事なんだよね。普段はトークイベントなんてやらないけど、近藤さんとならやってみたいと思った。

K:ノンフィクションは色々な方の人生に関わり、それを伝える役目がある。重みがある。さらけ出して下さった方々の人生が詰まったその重みが魅力だと思う。この本を通じて登場人物の皆さんの覚悟や想いを感じて欲しい。

 

 

サイン会とイベントの余韻

熱い熱いトークの後はお楽しみの近藤さんサイン会✍️

 

ドキドキしながら行列を待ち.......

 

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ついにリアル近藤さんとの対面‼️

 

イベントの前からイベント中も、たくさん伝えたい事を考えて臨みましたが、サインの間の短時間で話す内容を盛り込むのは吃音当事者にとっては至難の業🤣

 

今後もお会いできる日を楽しみに、ゆっくり伝えていきたいと思い直しました😌

 

というか行動で示します👍

 

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きつおんTRYへの応援メッセージも頂きました👏

改めて近藤さんに感謝っ🙇‍♂️

 

今回、このレポートを書くのに数日の時間を要してしまいました💦

理由は、胸が一杯になり過ぎて文章にアウトプットする事がなかなか出来なかった為です😂

 

改めて思い返すと、今回のイベントで多くの気付きを得ました😌

 

重松さんからは、「吃音である事はつらい。つらいけど悪い事だけではない。」という言葉から、『吃音のつらさを隠す事はないし、つらい事はつらいと言ってもいい。自分の苦手な場面は避けてもいい。その代わり自分が信じる道でとことん全力を尽くすべきである。』というメッセージを頂きました。

 

近藤さんからは本気で人の人生と向き合い、それを背負う覚悟は、時として人の心を強く打つ事が出来るという事を教えて頂きました。

そして、吃音を通じて知り合った仕事に対して嘘をつく事なく真摯に向き合っていらっしゃる姿は、自分の背筋がピンと伸びる気持ちが致しました😌

 

そしてイベント内でも触れられていた自助環境に対する課題。

 

私はその課題に立ち向かおうとしています。

 

この本のお陰で沢山の仲間に出会う事が出来ました。

 

環境は整ったと思います。

 

近藤さんと重松さんからいただいた勇気を今度は私が実行に移す番です☝️

 

このブログを読んでいただいている皆さん、我々のこれからの活動にご注目下さい‼️

 

合言葉は『きつおんTRY』です☺️

 

 

⬇︎きつおんTRYの活動を下記にまとめておきます👍

 

きつおんTRY活動内容
ついに全貌公開❗️【きつおんTRY👍】 - どもれども どもれども(吃音体験ブログ)-stuttering,stuttering-

 

きつおんTRY版【きつおん当事者と話す時の配慮】
きつおんTRY版『きつおん当事者と話す時の配慮』 - どもれども どもれども(吃音体験ブログ)-stuttering,stuttering-

 

きつおんTRYムービー
第1回 きつおんTRY in 津島(愛知県)【The Stuttering TRY】 - YouTube


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